
RIVER SAFETY

さらなる安全性を求めて現在も続けられる
多摩川の治水対策。
都市部に貴重な自然に供給し多くの人々に利用される首都圏を代表する一級河川、多摩川。
大正時代から始まった多摩川流域の治水対策は、
予想を超えた水害による被害を低減するために、護岸の整備や河道の掘削などが現在も続けられています。

調布市周辺流域の多摩川整備工事。
調布市周辺の多摩川流域では、2021年から2022年にかけて、洪水被害を防止するための整備工事が実施されています。堤防の侵食を防ぐための護岸整備工事や、増水時に水位を低減させるための河道の掘削工事など、大規模な水害を想定したきめ細かい対策が続けられています。

※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin01149.html)を加工して作成
※工事期間は2021年12月末時点の情報※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin01034.html)
※工事期間は2021年12月末時点の情報※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin01149.html)
多摩川緊急治水対策プロジェクトが取り組む「大丸用水堰」の改築。
浸水被害の軽減に向けて、多摩川中下流部の河道掘削や堰改築等の堤防整備を実施している「多摩川緊急治水対策プロジェクト」。このプロジェクトに位置づけられた「大丸用水堰」の改築工事によって、大規模な洪水が発生した場合でも大量の水を安全に流下させることが可能になり、堰の下流部にあたる調布市周辺の被害リスクも低減されます。完成は2024年度を予定しています。

※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin01149.html)を加工して作成
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現在の大丸用水堰
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大丸用水堰改築イメージ
※工事期間は2021年12月末時点の情報※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin01149.html)

二ヶ領上河原堰と二ヶ領宿河原堰の防災効果。
江戸時代に作られた神奈川県で最も古い人工用水「二ヶ領用水」へ、多摩川から水を引き込む取水堰として開発された「二ヶ領上河原堰」と「二ヶ領宿河原堰」。この二つの堰から「二ヶ領用水」を経て供給された多摩川の水は、流域に豊かな農地を拓いてきました。その後、何度かの改築や整備を行うことで、2019年の台風19号の増水時にも「二ヶ領宿河原堰」では最大約233cm、「二ヶ領上河原堰」では最大約83cm、水位を下げることができたと報告されています。
※出典:関東地方整備局ホームページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000760512.pdf)
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二ヶ領上河原堰
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二ヶ領宿変河原堰
暮らしと豊かな自然が調和する「二ヶ領上河原堰」と「多摩川自然観察緑地」。
多摩川自然観察緑地(上河原ワンド)
「二ヶ領上河原堰」付近はサイクリングロードが整備され、堰堤沿いでは家族が散歩やジョギングを楽しんでいます。この堰堤の下流域(調布市)には「上河原ワンド」と呼ばれる国内最大級の清流域があり、一帯は潤い豊かな「多摩川自然観察緑地」に指定されています。また上流域は川幅が広く、カヌーなどを楽しむ人たちで賑わいます。

多摩川自然観察緑地の水鳥

カヌーを楽しむ人たち